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視点 / D7 · 判断

変換後は、項目ごとに確かめてこそ、成果物に必要な内容が残ったと確認できます

開けるというのはファイルが使えるというだけで、中の内容がすべて残っているという意味ではありません。映像、音声、字幕、付随する情報、サイズ、元の動画この順で確かめてください。

成果物はシステム標準の再生のしかたで開き、実際に使う iPhone、iPad、Mac の上で確認してください。変換でできるのは新しいファイルであり、元のファイルが置き換えられたり書き換えられたりすることはありません。

1. 開けるだけでは、点検は終わりません

再生できるのは最初の関門にすぎません。この MP4 が開けるというだけで、映像・音声トラック・字幕トラック・付随する情報がまだあなたの要件に合っているとは言えません。画面に「完了」と出たかだけを見るのはやめてください。

成果物はシステム標準の再生のしかたで開き、最初から最後まで実際に確かめます。まず映像を見て、次に音声を聞き、字幕を確認し、そのあとその他の付随する情報とサイズ、元のファイルを点検します。どの項目も、手元にある成果物を目安にしてください。

開けることはファイルが使えるかにしか答えません。残すべき中身は、項目ごとに確かめてはじめて確認できます。

2. まず今回どちらの道を進んだかを確認

映像の点検を始める前に、今回の変換がどちらの処理経路を使ったかを確認してください。コンテナだけを変えた成果物と、完全な変換・再エンコードの成果物では、確かめるべき映像の情報がおのずと違います。経路を先に決めてから、その次に何を見るかを決めてください。

CineX が変換経路をどう判断するかは、変換経路の判定のしかたをお読みください。ここでは経路の判断基準を繰り返しません。個別のファイルの最終的な形は、実際に作られた成果物を目安にしてください。

3. 映像の点検:パラメータだけでなく、最初と途中と最後も見る

まず映像がどこから始まりどこで終わり、途中で途切れていないかを確かめてください。これはプレーヤー自身で通してみる必要があり、この記事は特定のファイルの長さを代わりに約束しません。そのあと解像度とフレームレートを見て、映像の大きさが引き伸ばされていないか、フレームレートが変わっていないか、フレーム補間やアップスケールをしていないかを確認します。

チャンネル数も同じで、変えてはなりません。元のファイルが 5.1 なら、成果物も 5.1 のままです。変換はリサンプリングもダウンミックスもしません。チャンネルが期待どおりかは、次の節で音声トラックを一本ずつ聞きながら確認します。

ビット深度とクロマサブサンプリングは処理経路ごとに分けて確かめます。コンテナだけを変える場合は映像を再エンコードせず、ピクセルも作り直さないので、ビット深度・クロマサブサンプリング・輝度レンジは元のまま保たれます。再エンコードが必要な場合は、成果物は元のビット深度に従って交付し、上限は 10-bit です。クロマサブサンプリングは 4:2:0 に統一され、12-bit は 10-bit まで下がります。8-bit になるのは、元がもともと 8-bit であるか、ファイルからビット深度の情報を読み取れない場合だけです。

4. 音声の点検:トラック数を数え、一本ずつ聞き、デフォルトを確認

元のファイルの音声トラックの数を数え、それから成果物の数を数えます。両方のトラック数はそろっているはずです。デフォルトの音声トラックは最初の位置に置かれ、ほかのトラックは残りますが、デフォルトの座を奪いません。

システム標準の再生のしかたで成果物を開き、音声トラックをすべて一本ずつ選んで音が出るかを聞いてください。デフォルトのトラックだけを聞くのでは足りません。そのとき、最初に選ぶことになっているトラックが、まさにまず聞きたいあの一本かどうかにも目を配ってください。

お使いのデバイスがある音声トラックをデコードして音を出せない場合、その処理では成果物を交付しません。「完了」と表示するのに開いても音がないというファイルを渡すことはしません。音声トラックの扱いの仕組みは音声トラックの処理のしかたにお書きしていて、この節ではトラック数と音とデフォルトの順だけを点検します。

5. 字幕の点検:トラック数を数え、一本ずつ選んで文字まで見る

元のファイルと成果物の字幕トラックをそれぞれ数え、再生しながら一本ずつ選んでみてください。字幕トラックが存在しても、思いどおりに表示されるとは限りません。実際に字幕が見えるか、文字の内容は正しいかを確かめ、トラックが選択できるかも見る必要があります。

SRT や ASS のテキスト字幕は再生中に選択でき、文字サイズと色も変更できます。ただし ASS の位置や色といった装飾はプレーンな文字に降格します。ブルーレイの画像字幕は文字認識も正確とはかぎりません。トラック全体から文字がまったく認識されなかった場合、成果物ではそのトラックが欠けますが、動画はそのまま再生でき、それ以上の案内は出ません。

簡体字と繁体字の字幕の言語タグは、変換のあと区別されません。簡体と繁体でトラックを使い分けたい方は事前に知っておいてください。字幕が変換後にどんな結末に分かれるかは、字幕の処理結果の説明をお読みください。この節の点検作業は、トラック数を数える、再生中にトラックを選ぶ、文字と表示の効果を確認する、の三つです。

字幕トラックは一本ずつ選んで実際に確かめてください。トラック名が見えるだけでは、点検は終わりません。

6. 付随する情報、サイズ、元の動画の点検

字幕の点検がすんだら、成果物にあるチャプター、カバー画像のトラック、色の表記を見ます。元のファイルにその情報があるなら、成果物でもまだ確認できるかを確かめてください。元のファイルにないものは補いません。

HDR と Dolby Vision は処理経路によって結果が変わるため、事前に決めつけず、ここでは個別のファイルの結論を代わりに出しません。この二つの情報が経路ごとにどこまで扱えるかは、HDR と Dolby Vision の処理の説明を見てください。

最後に元のファイルと成果物のサイズを比べます。完全な変換で再エンコードする場合、成果物が元のファイルより一成以上大きくなると、CineX は処理を止めてこの成果物は交付せず、画面に理由を示します。コンテナだけを変える場合はサイズはほぼ変わらず、ほんの少し元を上回る程度で、ファイルが小さくなることは期待できません。成果物は新しくできる MP4 で、元のファイルは置き換えも書き換えもしません。

7. 期待に届かない項目があれば、項目ごとにやり直す

ひとつでも期待に届かないなら、「完了」の表示だけで結論を決めないでください。該当する項目に戻って確かめ直します。成果物を開き直し、音声トラックと字幕トラックを一本ずつ切り替え、映像の始まりと終わりと付随する情報も確認します。項目ひとつの通過を、全体の通過として扱わないでください。

今回成果物が出ていなかったときは、画面に出た説明を先に読んでから、再試行するかを決めてください。完了しなかった試行、キャンセル、再試行では、いずれも変換回数は減りません。

点検にも境界があります。外付けの字幕ファイルは一緒に読み込めません。DRM で保護されたコンテンツは扱いません。処理するのは一度にひとつのファイルだけで、クリップを結合したり、切り抜いたり、チャンネルロゴを消したりはしません。長さが完全かは、始まりと終わりとその途中を自分で確かめてください。成果物は、実際に使う iPhone、iPad、Mac で開いて点検してください。

映像・音声・字幕・付随する情報・サイズ・元のファイルを項目ごとにすべて見てはじめて、この成果物が要件に合うかと判断できます。

よくある質問

動画は開けるのに、なぜ点検が必要ですか?

開けるのはファイルが使えるというだけで、映像・音声トラック・字幕トラック・付随する情報が要件に合うという意味ではありません。映像、音声、字幕、付随する情報、サイズ、元のファイルの順で確かめてください。

音声トラックがそろっているかはどう確認しますか?

元のファイルと成果物の音声トラックの本数を数え、両方とも同じ数のはずです。そのうえで一本ずつ選んで音が出るかを聞き、デフォルトの音声トラックが最初の位置にあるかも確かめてください。

字幕トラックが見えますが、まだ何を点検しますか?

字幕トラックを数え、再生中に一本ずつ選んでみて、そのあと文字の内容と表示のしかたを確かめます。テキスト字幕は装飾が降格することがあります。ブルーレイの画像字幕は文字認識を誤ることがあり、トラック全体から文字が認識できなければ成果物ではそのトラックが欠けます。動画はそのまま再生でき、追加の案内も出ません。簡体字と繁体字の言語タグは、変換のあと区別されません。

変換後のファイルは大きくなりますか?

完全な変換で再エンコードする場合、成果物が元のファイルより一成以上大きくなると、CineX は処理を止めてこの成果物は交付せず、画面に理由を示します。コンテナだけを変える場合はサイズはほぼ変わらず、ほんの少し元を上回る程度で、小さくなることは期待できません。元のファイルは置き換えも書き換えもしません。


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